鹿になった観音さま - みほようこの日記

　　鹿になった観音さま５

「がさ」
「ごそっ」
どこかで音がしました。

突然、三郎の目の前に、大きな鹿が
とびだしてきました。
黄金色の鹿でした。
鹿の体は、太陽にあたり、ぴかっぴ
かっと光っています。

「わぁーっ。黄金色の鹿だぁ」
三郎は、びっくりして、大声をあげ
ました。
「うー、うー」
「わん、わん」
タケルとチハヤが、鹿のまわりでほ
えています。

すると、鹿は三郎にむかって、突進
してきました。
「あぶないっ」
　

　　　　　　　　　　　　つづく

　　　　　昨日の分は、こちら。

　　　　　初めて読んでくださったかたへ

「鹿になった観音さま」は、信州の伊
那谷にある「立石寺」に伝わっている
話をヒントにして、みほようこが書い
たもの。