鹿になった観音さま13
「そういうことになるかのぅ」
「和尚さま。わしは、おそれおお
くも、観音さまに矢をむけてしま
いました。
どうしたらいいんじゃ」
三郎は、観音さまに矢をむけたこ
とを、くやみました。
すると、
「三郎さは、あけてもくれても、
毎日鹿狩りをしている。
いいかげんに、殺生をやめたらど
うかと、観音さまがいっているの
かもしれんぞ。
鹿は、神様や仏さまのおつかいを
している動物じゃ。
三郎さは、鹿狩りの名人。観音さ
まは、おつかいをしてくれる鹿が
いなくなってしまうのではないか
と、心配されたのじゃろう。
わしも、三郎さに『もう鹿狩りは
やめたらどうか』と、忠告しよう
と思っていたところじゃ」
三郎は、和尚のことばを聞き、は
っとしました。
つづく
昨日の分は、こちら。
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