鹿になった観音さま15
大きな杉の木の根元に、犬の形を
した二つの石がころがっています。
「タケル、チハヤ。なぜ石になっ
てしまったのじゃ」
和尚は、二つの石をなでました。
そして、お経をあげました。
二人は、石になった犬たちをつれ
て、寺へ帰りました。
その後。
三郎は、大好きな鹿狩りをやめま
した。
そして、田畑や山林など、全財産
を寺に寄進しました。
三郎は、寺の仕事を手伝いながら、
心静かに暮らしています。
三ヶ月後。
和尚は、いつものように、石にな
った愛犬たちに、お経をあげてい
ました。
つづく
昨日の分は、こちら。
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