黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090103#p1



信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。



  「黄金色のまゆ玉」より


次の朝。
「なんだ、これは・・・?」
「すごい割れ目だね」
湖をみた人々は、びっくり。



湖の氷が割れていたのです。
氷がせりあがり、いくえにもかさな
りあっています。
大きな山は、こどもの背丈ほどあり
ました。



小さな山でも、三十センチくらい。
湖の上には、でこぼこした長い氷の
山ができていたのです。
人々には、大きな竜が、湖をのたう
ちまわっているようにみえました。



なんと、その氷の割れ目は、明神さ
まが住んでいる神社の近くから、湖
の向こう側までずっと続いていました。



「昨夜、氷の上を歩いていた人は、
明神さまだったのだろうか」
「まさか・・・?」
「真夜中、明神さまはどこへ行った
のだろう」