火とぼし山2
「私は、あるわ。白鷺のように羽
があれば、自分が行きたい所へ飛
んで行けるもの」
きよが、白鷺をみていいました。
「次郎さん。諏訪湖の西といったら、
何を思い出す?」
「守屋山かな」
「私も」
「何年か前、福寿草の花をみに、守
屋山へ行ったことがあったね」
「おぼえている。あれは、七年前の
春。私が十才、次郎さんが十五才の
時だった。
朝早く起きて、諏訪湖のまわりを歩
き、守屋山へ行った。
一日中、よく歩いたね」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
初めて読んでくださったかたへ
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信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。