火とぼし山3
「守屋山へ着いてからも、福寿草
の花を探して、山の中をあちこち
歩きまわった」
「でも、その日、花をみつけるこ
とはできなかった。
あきらめきれず、次の日曜日、ま
た守屋山へ行ったね」
「二回目に行った時も、福寿草の
花はなかなかみつからなかった。
あきらめて帰ろうとした時、山の
ふもとの畑の土手に、黄金色の花
が咲いていた。きれいだったね」
きよと次郎は、土手一面に咲いて
いた福寿草の花を、なつかしく思
いだしました。
「やっとみつけたぁ」
そういって、二人でとびあがって
よろこんだことも、思い出しました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100310#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。