火とぼし山


   火とぼし山15


「ばあちゃんから聞いたの。
ばあちゃんの家でも、蚕を飼って
いるから」
「そうか」



「次郎さん。野良の仕事は、疲れ
るでしょ」
「なれない仕事だから疲れる。
夜になると、体中が痛い」
次郎が、腰をさすりながらいいま
した。



「次郎さん。体だけは気をつけてね」
「きよちゃんもね」
二人は、別れてからのことを、一晩
中語りあかしました。
楽しいひとときでした。


            つづく



    昨日の分は、こちら。



http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100322#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。