火とぼし山40
次郎さんたら、一カ月ぶりに会った
というのに、見合いの話などして、
どういうつもりなのかしら。
いやな次郎さん。
でも、次郎さんがこっそり見合いを
したら、それもいやだろうなと思い
ました。
私は、小さな時から、次郎さんが大
好きだった。そして、今も大好き。
でも、次郎さんは、どうだったのだ
ろう。
私のほかにも、好きな人がいたので
はないだろうかと、きよは思いました。
一ヶ月後。
きよと次郎は、再び会いました。
「次郎さん。姪の人と見合いをしたの」
きよが、さりげなく聞きました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100418#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。