火とぼし山


    火とぼし山45


「そうか。桑畑で、みよちゃんに
会えるとは思わなかったな」
次郎が、にこにこしながらいいま
した。



「これは、一体どういうことなの
じゃ。わしには、さっぱりわからん」
明神さまは、小声でつぶやきました。
そして、桑のかげから、二人の様子
をじっとみていました。



次郎とみよは、楽しそうに話をして
います。笑い声も聞こえてきました。
「おもしろい娘じゃのぅ」
明神さまは、みよの話を聞き、くすっ
と笑ってしまいました。


          つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100423#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。