ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴10


そして、おとうさんからもらっ
た桜の鈴を、何回かふってみま
した。
「リーン・リーン・リーン…」
姫が七回鈴をふった時、どこか
らか話し声が聞こえてきました。



「誰だろう?」
あたりをみまわしましたが、誰
もいません。
じっと耳をすませて聞いている
と、桜の花がこんなおしゃべり
をしていました。



「小桜姫さまってね、…女の子だけ
ど…小鳥やちょうが…大好きなんで
すって」
「そういえば…姫のおとうさまも…
小鳥が大好きですものね」
「そうそう、小桜姫さまはね、…
ふしぎな鈴を…もっているんですって」


           つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100622#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。



http://www.bk1.jp/product/02593627