ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴27


「じいちゃん、じいちゃん」
いくらよびかけても、おじいさ
んは何も返事をしてくれません。



「じいちゃーん、じいちゃんは
どこー」
かなはおじいさんの家へ行くた
びに、おじいさんを探して歩き
ました。
でも・・・おじいさんはどこに
もいませんでした。



「死ぬということは、姿がみえ
なくなるということなのかしら」
かなはそう思いました。
いつも温かな心でかなに接して
くれたおじいさん。



おじいさんとのなつかしい思い
出は、かなの心に強く残りました。
「人はいつか死んでしまうのだ
な」ということを、かなはおじ
いさんの死を通して知りました。


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100709#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。