ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴28


  ー 朝顔エスカレーター ー


それから一年後。
残暑の厳しい九月五日のことで
した。
大好きなおとうさんが、心臓病
で急になくなってしまいました。
しんきんこうそくでした。



「かな、おじいちゃんとおばあ
ちゃんに、かわいがってもらっ
たことを、いつまでも忘れない
ようにね。
元気で明るく生きていくのだよ」
おとうさんはいいました。



そして、桃の実の形をした鈴を、
かなにくれました。
「リーン・リーン・コロンころん」
なんともいえないいい音がします。


           つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100710#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。