ふしぎな鈴33
次の朝、かなは黄金色の鳥がとま
っていた柱時計の上を、そっとの
ぞいてみました。
黒い種が、一粒のっていました。
「何の種かしら」と思いながら、
かなはその種を白いふうとうに入
れ、机の奥にしまっておきました。
庭へでると、おとうさんが育てた
朝顔の花が、たくさん咲いていま
した。
白い花も紫の花も、ピンクの花も
咲いています。
「かな、みてごらん。
朝顔の芽がでてきたよ。かわいい
だろ」
「かな、つるがのびてきたよ」
「ほら、みてごらん。
つぼみが三つもついたよ。もうす
ぐ花が咲くよ。楽しみだね」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100715#p3
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。