ふしぎな鈴34
朝顔の花をみていると、おとう
さんの声が、なつかしく思い出
されました。
おとうさんがなくなってから、百
日がすぎました。
かなの村に、初雪が降りました。
初めちらちらふっていた雪も、い
つの間にかぼたん雪にかわりま
した。
雪をみているうちに、かなは黄金
色の鳥がおいていった、黒い種の
ことをふと思いだしました。
かなは机の奥から黒い種をだし、
そっと手にのせました。
すると…。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきま
した。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100716#p3
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。