ふしぎな鈴36
つるも空にむかってどんどんの
びていきます。
つぼみも数えきれないくらい、
たくさんつきました。
そして、あちらにひとつ、こち
らにひとつと、花が咲き出しま
した。
赤い花も白い花もあります。
紫の花も、ピンクの花も咲き出
しました。
何千何万という花が、色とりど
りにぱっと音がして開いていき
ます。
色あざやかな竜が、空に向かっ
てかけのぼっていくような、そ
んな感じでした。
かなはぽかーんとして、朝顔の
花を見ていました。
「かなさん、私の体にしっかり
つかまりなさい。
これから良い所へ案内しますから」
どこからか、また声が聞こえて
きました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100718#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。