ふしぎな鈴42
そして、桜の木の下には、校長
先生が立っていました。
「美しい桜だねぇ」
校長先生はにこにこしながらい
いました。
かなは、おとうさんから聞いた
小桜姫の話を、校長先生に話し
ました。
校長先生はその話を知っていま
したが、「ほうー」「それで」
「それからどうしたの」といい
ながら、かなのたどたどしい話
を、最後まで聞いてくれました。
話し終わったかなは、おとうさん
からもらった桃の鈴を、校長先生
にみせました。
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
鈴の音を聞いた校長先生は、はっと
しました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100724#p3
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。