ふしぎな鈴43
「私はどこかでこの鈴の音を聞
いたことがある。
どこで聞いたのだろうか?」
しかし、どこで聞いたのか、校
長先生には思い出せませんで
した。
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
何度も鈴の音を聞いているうちに、
校長先生の頭の中に、遠い昔のあ
る光景が、ぼんやり浮かんできま
した。
大きなおやしき…たくさんの木が
植えてある広い庭…
庭へやってくるいろいろな小鳥…
そして庭で遊んでいるかわいい女
の子。
遠い昔のことが、少しずつ少しず
つ校長先生の頭の中によみがえっ
てきたのです。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100725#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。