ふしぎな鈴51
空をみあげると、お月さまがにっ
こり笑っていました。
「あっ!」
かなが大声でさけんだ時、お月さ
まの耳についていた星が、するす
るとおりてきました。
そして、かなの耳に、ぴたっとつ
きました。
「なんてすてきな耳かざりだろう。
うれしいなぁ。お月さま、どうも
ありがとう」
お月さまにむかって、かなは何度
もお礼をいいました。
かなとりゅうは、いそいで家に帰
りました。
「かあちゃん、かあちゃん。
たいへん、たいへん」
かなはねているおかあさんの枕元
へ、とんで行きました。
「かな、すてきな耳かざりね。
どなたにいただいたの?」
おかあさんはかなに聞きました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100802#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。