ふしぎな鈴52
かなは、散歩の途中で、お月さま
から星の耳かざりをもらったこと
を話しました。
おかあさんは乳にがんができて、
この間手術をしたばかりです。
おかあさんは乳を切ってしまった
ので、手が上にあがりません。
ふっくらしていたおかあさんの顔
が、日ごとにやせていくのをみて、
かなは心配していました。
「そうだ、この星の耳かざりを
かあちゃんにあげよう。
そうすれば、かあちゃんはきっ
とよくなるだろう」
かなはそう思いました。
そして、おかあさんの耳に、星
の耳かざりをつけてあげました。
すると・・・。
おかあさんのほおが、ほんのり
赤くなりました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100803#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。