笛の音よ、永久にひびけ2
「かっこう君、君は元気だねぇ」
かえでは、かっこうに話しかけ
ます。
「もうすぐ夏がきますよぉ」
かっこうは、森の仲間たちに、
夏の訪れを知らせて歩きます。
「わしもかっこうのように、いつ
までも元気でいたいものじゃのぅ」
かえではかっこうの声を聞くたび
に、そう思います。
かえでの木には、こげらもやって
きます。
こげらは、木の幹をコツコツとた
たきながら、虫を食べてくれます。
「ギィーギィー」
初めてこげらの鳴き声を聞いた時、
かえではびっくりしました。
「はて、なんの音だろう?
ボートをこいでいるような、きみょ
うな音が聞こえるけれど、なんの
音かな」と。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100821#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100821#p2
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。
童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。