笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ7


「この森に住んでいる仲間たち
は、これからどうなるのだろう」
かえでは、仲間たちのことが心
配でたまりません。



「うわさでは、この森でスキー大
会が行われるとか。
その会場を作るために、森の木を
たくさん切るそうだ。
なぜ人間たちは私たちをみごろし
にするのだろうか」



かえでには、人間の気持がわかり
ませんでした。
「今年は、葉をつけることができ
ないかもしれんのぅ。
いつ切りたおされるのだろうか」
かえでは、不安な気持で毎日をす
ごしました。



「かえでのおじさん、森の木が、
みんな切られてしまうって、ほん
とう?」
リスとかもしかがやってきて、聞
きました。


           つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100826#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100821#p2



「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。