笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ13


「笛を作りたいのですが、かえで
の木をゆずっていただけませんか」
若者は、責任者の人にたのみました。



「かえでの木で、笛ができるので
すか?」
「ええ、できますよ。きっと、すば
らしい音色のする笛ができると思い
ますよ」
若者は、そう答えました。


 
「丘の上のかえでの木が、笛にな
るなんてうれしいね」
それを聞いた村の人々は、喜びま
した。
「一日も早く、すてきな音色のす
る笛ができると良いね」
「かえでの笛って、どんな音色が
するのだろう」



こどもたちも、笛ができるのを楽
しみにしています。
村の人たちも、若者に協力して、
笛を作ることになりました。


           つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100901#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100821#p2



「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。