ライオンめざめる2
五月十日。
かなは、七才になりました。
「かな、誕生日おめでとう。
誕生日のプレゼントだよ」
そういって、おとうさんは、かな
の首にロケットをかけてくれました。
それは、金でできた、二センチくら
いの大きさのライオンのロケットで
した。
「わぁ、かわいいライオン!!
とうちゃん、ありがとう」
かなは大よろこび。
ライオンのロケットは、おとうさん
が西の国へ旅をした時に求めたもの
でした。
おとうさんは、旅先でライオンのロ
ケットをみた時、「なんてかわいい
ライオンだろう」と思いました。
「娘が生まれ、七才になった日、ラ
イオンのロケットを、娘にプレゼン
トしよう」
おとうさんは、そう心に決めました。
そして、そんな日がくるのを、楽し
みにして待っていたのです。
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2
初めて読んでくださったかたへ
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信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。
童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」裏表紙