ライオンめざめる


  ライオンめざめる5


「どこがいたいの?」
かなは、ライオンに聞きました。
でも、ライオンはなにも答えま
せん。
困ったかなは、ロケットをやさ
しくなでてあげました。



その後。
夜になると、ときどきライオン
のうなり声が聞こえてきました。
かなは、そのたびに、ロケット
をやさしくなでてあげます。



「とうちゃん、とうちゃんが誕
生日にくれたライオンのロケッ
トね、夜になると、うーんうーん
ってうなるの。
うなるだけではなく、いたいよぉ
っていうの。
とうちゃん、どうしたらいい?」



ある夜、かなはおとうさんに聞き
ました。
「かな、それほんとうかい?」
「とうちゃん、ほんとうよ」


             つづく



    前回の分は、こちら。
  

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100913#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2



信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。


童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。











    「ライオンめざめる」裏表紙