ライオンめざめる6
「とうちゃんは、金でできている
ライオンが、うなるはずはないと
思うけれどね」
「私も最初はそう思ったわ。
金でできているライオンが、うな
るはずはないって。
でも、何度もうなり声を聞いてい
るうちに、このロケットの中に、
だれかがとじこめられているので
はないかと思うようになったの」
「そんなばかな・・・。
とうちゃんは、かなのいうことを
信じたい。
でも、この話だけは、信じること
ができないね」
おとうさんは、困ったような顔を
しました。
さわやかな秋になりました。
かなとりゅうは、高原の小高い丘
へ登りました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100914#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2
信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。
童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」裏表紙