ライオンめざめる7
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩に行こ
う。ねえ、散歩に行こうよぉ」と、
大声でさいそくします。
かなはライオンのロケットを首に
かけ、散歩に行きました。
丘へつくと、夏のあいだ美しく咲
いていた日光きすげややなぎらん
は、すっかり枯れていました。
そして、草原は一面すすきでおお
われていました。
「松虫草の花は、咲いているかしら」
かなは、松虫草の花を探して歩きま
した。
あちこち探しましたが、松虫草の花
はなかなかみつかりません。
「松虫草の花は、もう枯れてしまっ
たのかしら」
かなは、あきらめて家に帰ろうと思
いました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100915#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2
信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。
童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」裏表紙