ライオンめざめる


   ライオンめざめる8


ふと足元をみると、枯草の中に、
うす紫色の松虫草の花が、十本
くらい咲いていました。



松虫草の花は、秋の日をあび、
きらっきらっと美しく輝いていま
す。
「なんてきれいだろう」
かなは、松虫草の花に見とれてい
ました。



すると・・・。
花のみつをすいにきたのでしょ
うか。
どこからか、赤いちょうが一匹
舞ってきました。



みたことのないちょうです。
松虫草の花の上で、ちょうが大
きく羽をひろげた時、かなは
「あっ」と驚きの声をあげました。


          つづく



    前回の分は、こちら。
  

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100916#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2



信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。


童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。








    「ライオンめざめる」裏表紙