ライオンめざめる


  ライオンめざめる13


「かなさん、ありがとう。
やさしいかなさんのおかげで、私
は長いねむりからさめることがで
きました」
ライオンは、うれしそうにいいま
した。
かなはびっくりして、大きくなっ
たライオンをみています。



「少女よ、わしは諏訪の神・明神
じゃ。おまえはほんとうに心のや
さしい少女じゃのぅ。
わしは諏訪の地をあちこちみて歩
いているので、おまえのことも、り
ゅうのことも、よーく知っているぞ。



おまえは、何千年ものあいだ、だれ
も聞くことができなかったライオン
の声を、よく聞くことができたねぇ」
神さまは、感心したようにいいました。


            つづく



    前回の分は、こちら。
  

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100921#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2



信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。


童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。








    「ライオンめざめる」裏表紙