女神さまからのおくりもの45
「ゆうすげの花が咲いていた場所
をおぼえている?」
「おぼえているよ」
二人は、白駒の背にのり、ゆうす
げが咲いていた場所へ走って行き
ました。
「きよちゃん、ここだよ」
「あら? まだつぼみがかたいのね。
今夜、花が咲くかしら」
「だいじょうぶ。今夜、花が咲くよ」
でも、ほんとうに花が咲くだろうか
と、清太は心配でした。
「今夜、ゆうすげの花が咲きますよ
うに」
清太は、心の中で祈りました。
「ゆうすげって、日光きすげのよう
に、群落にはならないのかしら」
「そういえば、あっちに一本、こっ
ちに一本という感じだね。
じゃあ、ここで、暗くなるのを待と
うか」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101113#p1
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