女神さまからのおくりもの46
「清太さん。ちょっと早いけれど、
むすびを食べよう。
二人っきりで食事をするのは、ひ
さしぶりね」
きよは、はしゃいでいます。
「うまい!」
「おいしいでしょ。清太さん」
「うん。うまい」
「私、清太さんのために、心をこ
めてにぎったのよ」
「だから、おいしいんだね。
おれ、白米のおにぎりなんて、初
めて食べた」
「わが家でも、特別な日しか食べ
ないわ。
普通の日は、麦やあわ・さつまいも・
豆などが入っているごはんを食べ
ている」
「おらの家は貧乏だったから、あ
わやさつまいもの中に、ほんの少
し米が入ったご飯だった。
でも、とうちゃんやかあちゃんと
一緒に食べたご飯は、うまかったな」
二人は、たわいない話をしながら、
むすびを食べました。
幸せなひとときでした。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101114#p1
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