女神さまからのおくりもの47
しばらくして、きよが改まった
口調でいいました。
「清太さん。今、縁談の話があ
るの」
「縁談の話?」
「相手は、清太さんも知っている
小諸の次郎さん。
次郎さんは、とうちゃんの姉の二
番目のこども」
「おれ、庄屋さまのお使いで、何
度も次郎さんの家へ行った。
おじさんもおばさんもいいかただ
し、次郎さんもやさしそうだし、
いい話だと思うけれど」
「次郎さんは、やさしい人だわ。
でも・・・人のいうままなの。
わが家へきても、次郎さんはとう
ちゃんのいうままだと思う。
私、人のいいなりになっている次
郎さんを、好きになれないの」
「次郎さんの家は庄屋だし、裕福
だし、みんないい人ばかりだ。
きよちゃんの結婚相手として、次
郎さんはなんの不足もないと思う
けれど・・・ね」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101115#p1
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