女神さまからのおくりもの49
きよちゃんが結婚してしまえば、
「きよちゃん」なんて、きやすく
声をかけることもできないし、こ
うして二人で馬を走らせることも
ないのだなと、清太は思いました。
「おらは、きよちゃんが大好きだ。
次郎さんにも、誰にも、きよちゃん
を渡したくない。
きよちゃんは、おらのものだ!」
清太は、心の中で強くさけびました。
おらが家柄のいい家に生まれていた
ら、おらの家が裕福だったら、きよ
ちゃんが大好きだよといえるのに。
おらの家は、貧しい。食べていくの
が、精一杯だ。
だから、庄屋のおじょうさまとして、
何不自由なく育ったきよちゃんを、
おらは幸せにしてあげることができ
ない。
それに・・・第一、家柄がちがいす
ぎる。
清太の心は、ゆれました。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101117#p1
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