女神さまからのおくりもの53
おらは、世話になっている庄屋
さまに、遠慮をしているのかも
しれない。
心からきよちゃんが好きなら、誰
にも遠慮することなどないのに。
こんな心の声も聞こえてきました。
でも、清太は、自分の気持をきよに
伝えることができなかったのです。
きよちゃんには、幸せになってほし
い。大好きだからこそ、自分は身を
ひくべきだと、清太は思ったのです。
二人は、時のたつのも忘れ、ゆうす
げの花をみていました。
「きよちゃん。家に帰ろう。庄屋さ
まが心配しているといけないから」
「そうね。帰りましょう。今夜は、
ゆうすげの花をみることができて、
うれしかったわ。
清太さん、ありがとう」
「おらこそ、ありがとう」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101121#p1
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