女神さまからのおくりもの


  女神さまからのおくりもの61


「おじょうさまのことなど、なんと
も思っていません」、清太がそうい
ってくれるのを、吉衛門はひそかに
期待していました。



ところが、
「おら・・・いや私は、おじょうさま
のことが大好きです。
この家にお世話になった時から、
おじょうさまのことが好きでした」
清太は、吉衛門の目をみて、そうい
いました。



「なに? きよのことが、大好き
だ・・・と」
その時、清太には、「おまえは、
とんでもないやつだ。
おまえは、この家の使用人なん
だぞ」
という吉衛門の心の声が聞こえ
ました。



しかし、清太は、きっぱりいいま
した。
「はい。私は、おじょうさまのこ
とが大好きです」と。
「清太。おまえは、この家の使用
人だということを忘れたのか!」
吉衛門が、強い口調でいいました。


            つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101129#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101001#p2