女神さまからのおくりもの


 女神さまからのおくりもの75


「今すぐやしきをでていってほしい」
庄屋のことばを思い出すたびに、清
太はくやしい思いでいっぱいでした。



八年間、おらのことを、実のこども
のようにかわいがってくれた庄屋が、
あんなひどいことをいうなんて・・・。
清太は、庄屋の気持がわかりません
でした。



庄屋は、おらのことを、よく働く使
用人としかみていなかったのか?
おらの家は、貧乏だ。でも、とうち
ゃんもかあちゃんも、毎日一生けん
めい働いている。
そんな両親を否定されたような気が
し、清太はみじめな気持でいっぱい
だったのです。



清太は、貧乏がつらいと思ったこと
は、一度もありません。
でも、今回だけは、貧乏とは、つら
く悲しいものだなと思いました。

 
               つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101213#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101001#p2