女神さまからのおくりもの76
清太は、湖のほとりで、ゆっくり
休みました。
庄屋の家で暮らした八年間が、昨
日のことのようになつかしく思い
出されました。
初めてきよに会った日のこと。
座禅草をみに行った日のこと。
霧ケ峰高原へ、ゆうすげをみにいっ
た日のことなど。
いろいろなことが、なつかしく思
い出されました。
これからどうやって生きていった
らよいのだろうか。
おらは、きよちゃんのことを、忘
れることができるのだろうか。
清太は、きよのことを考えながら、
湖のまわりを歩きました。
きよちゃんがこんなに好きなのに・・・。
なぜきよちゃんのそばでくらすこ
とができないのだろう。
「おじょうさまのことなど、なん
とも思っていません」と、庄屋に
いえば良かった。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101214#p1
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