竜の姿をみた少女5
「とうちゃん。竜って、どんな姿を
しているの」
「さあ、どんな姿をしているのだろうね。
大きな角があるとか、たくさんうろこが
ついているとか、美しい玉を持っている
とかいわれているが、とうちゃんにもわ
からない。今夜、竜の絵をみせてあげよう」
おとうさんは、絵でみた竜の話をしてくれ
ました。
その後。
かなとおとうさんは、湖のほとりで、と
きどき竜の話をしました。
おとうさんから、竜の話を聞いたかなは、
「しらかば湖に、竜がいるといいな」と
思うようになりました。
「竜? そんなもの、いるはずないよ」
「村に伝わっている大昔の話だろ」
「この世に、竜なんているはずないじ
ゃん」
「かなちゃん。湖に竜がいると思ってい
るの。馬鹿みたい」
友だちは、みんなそういいます。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110801#p2
童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
2009年12月、「鳥影社」
から、発行されました。
童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。
収録されている童話
・ 竜の姿をみた少女
・ 女神さまとの約束
裏表紙