風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの 2


「誰じゃろう。ひどくあわてている
ようじゃが。 何事もなければいい
がのー」
神様は、ぐるりとあたりをみまわし
ました。
しかし、誰もいません。



「風の神様、風の神様。 小桜でご
ざいます。 たった今、伊那谷に女
の子が生まれたのですが、おぎゃー
と泣きません。



その子は、私の国から、ある大切な
使命を持って、そちらの国へ行った
者です。 風の神様、お願いです。
どうかその子を…、どうかその子を
助けてくださいませ」
その声は、小桜姫でした。


      つづく


「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。


2001年8月、「鳥影社」から発行







心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。



   童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html