風の神様からのおくりもの 28
まゆ玉は一日ごとに輝きをまし、
まゆが生まれた日のように、きら
っきらっと黄金色に輝いています。
小さかったまゆ玉も、普通のまゆ
玉くらいに大きくなりました。
八月八日午後。
夕立がやんだので、おかあさんは
まゆをだいて、外に出ました。
まゆが下におろしてほしいとせが
むので、まゆを下に下ろしました。
するとどうでしょう。
まゆが何もつかまらずに、しっかり
と自分の足で立ったのです。
立っただけでなく、ゆっくりと一歩
歩いたのです。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。
2001年8月、「鳥影社」から発行
心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。
童話集「風の神様からのおくりもの」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html