風の神様からのおくりもの 2
「たっ、たった。 たっ、たった」
誰かが足早に歩く音が、聞こえて
きました。
「誰じゃろう。ひどくあわててい
るようじゃが。 何事もなければ
いいがのー」
神様は、ぐるりとあたりをみまわ
しました。しかし、誰もいません。
「風の神様、風の神様。 小桜で
ございます。 たった今、伊那谷
に女の子が生まれたのですが、お
ぎゃーと泣きません。 その子は、
私の国から、ある大切な使命を持
って、そちらの国へ行った者です。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、
諏訪の童話集「風の神様からのおく
りもの「に収録されています。
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集。
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html
2001年8月 鳥影社より発行。