女神さまとの約束


   女神さまとの約束 53


秋になり、硫黄岳のふもとの木々も、
赤や黄色に紅葉しはじめました。



そんなある日。
「白駒、お願い。私を家へつれてい
って」
「ふくさん、女神さまとの約束を忘
れたのですか。約束をやぶると、大
変なことになりますよ」
「大変なことって?」



「女神さまとの約束をやぶると、ふ
くさんの命はありません。私は、女
神さまとの約束をやぶった、何人も
の人を知っています。だから、ふく
さんには、女神さまとの約束を、ち
ゃんと守ってほしいのです」


       つづく



「女神さまとの約束」は、みほようこ
童話集「竜の姿をみた少女」に収録され
ています。



http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu5.html