竜神になった三郎


   竜神になった三郎 5


十数年が過ぎました。
大人になった兄たちは、それぞれ
に妻をめとり、平凡に暮らしてい
ます。



三郎も、ニ十四才になりました。
りりしい青年になった三郎は、村
の娘たちから「三郎さ、三郎さ」
と、したわれています。
「わし、三郎さの嫁さんになりた
いな」
「私もよ。だって、三郎さって、や
さしいんだもん」



「だめよ。おらがなるんだから」
村の娘たちは、三郎が大好きで
した。
三郎は、年寄りからも「三郎さ、三
郎さ」と、たよりにされていました。


          つづく