竜神になった三郎


   竜神になった三郎 15


そんなある日。
諏訪湖の真ん中あたりに、うず
をまいている深い場所があると、年
寄りから聞いたことがある。そこは
底なしのふちになっているらしい。
そうだ、三郎をそのうずの中へつき
おとしてしまおう。そうすれば、い
くら泳ぎのうまい三郎でも、おぼれ
しぬだろう。しめしめ、これは良い
考えだぞ」
太郎がいいました。



「三郎は魚をとることが大好きだしな。
魚つりといえば、三郎もけいかいしま
い。これは良い考えかもしれんな」
次郎も賛成しました。
ついに二人は、悪魔のような恐ろしい
ことを考えついたのです。


          つづく