福寿草になった少女


   福寿草になった少女 22


次の朝。
守屋山のふもとの反対側で、雪で
真っ白になった福がみつかりました。
寒さのため、福はこごえ死んでしま
ったのです。



「福や、福や。目をさましておくれ」
「福、なぜ守屋山へなど行ったの?」
大切なこどもをなくした夫婦は、気
もくるわんばかりに、なげき悲しみ
ました。



「明神さま、お許し下さい。せっか
く授けていただいたのに、私の不注
意から、福を死なせてしまいました。


        つづく