井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 16


城のあちこちから、火の手があ
がりました。
「城に火がついたぞー。すぐ火を
消せー」
信廉が、大声でさけびました。



「わぁー」
城内から、女の人たちの悲鳴が
聞こえます。
一箇所火を消しても、すぐまた別
の所から火の手があがります。
城のあちこちが燃えはじめました。
城の中は、もうもうと煙がたちこ
めています。



「姫さま。さあ早く、あっちへ逃げ
ましょう」
姫はにわとりをだき、おつきの人
と一緒に、安全な場所をさがして
逃げまわりました。


         つづく