竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 35


第四章 くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 10


おじいさんが、皇子に聞きました。
「この木は、どんな所にはえてい
たのかね」と。


すると、皇子が話を始めました。
二年前の二月十日。
難波から船に乗り出発しました。
蓬莱山の方向がわからないので、
心細かったけれど、風にまかせて
航行しました。


航海を続けていれば、いつかきっ
と蓬莱山にたどりつくことができ
るだろうと思いました。


     つづく