竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 60


第五章 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 9


すると、かぐや姫が。
「立派な皮ですね。でも、これ
が本物の火鼠の皮衣だという証
拠は、何もありません」


「姫。ともかく、あのかたを、
家の中へ入れてあげましょう。
この世では見ることができな
い皮衣だといっています。姫、
本物だと思いなさい。あのか
たを、これ以上困らせてはい
けませんよ」


     つづく