座禅草が咲いている高原で 17
「えっ、ほんとう? じゃあ、二人
は、兄と妹のように育ったのね」
「うん。でも、ふくちゃんは・・・八
才の時になくなってしまった」
「その話、とうちゃんから聞いた
ことがある。ふくちゃんは、一人
で守屋山へ福寿草の花をとりに
行って、なくなったんでしょ」
「そうなんだ。ふくちゃんは、みん
なが留守の間に、一人で守屋山
へ福寿草の花をとりに行ったんだ。
そして、道にまよってしまった。運
悪く、その日雪が降ってね。ふくち
ゃんはこごえしんでしまった」
つづく