竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 113


第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 16


帝とかぐや姫が、手紙のやりとりをしているうちに、
三年がすぎました。
かぐや姫は、ある年の春頃から、月を見て、物思い
にふけることが多くなりました。
「姫さま。月をみるのは、不吉です。二度と月をみ
てはいけません」
姫に仕えている人がとめるのですが、姫は月をみて、
はげしく泣くようになりました。


七月十五日の夜。
かぐや姫は縁側に出て座り、月をみながら、物思い
にふけっています。
「姫さまは、月をみて、何か心を動かされているよ
うです。ただごとではありません。何か悩み事があ
るのでは・・・。気をつけて、姫さまのことをみて
あげてください」
姫に仕えている人が、おじいさんにお願いしました。


          つづく