竹取物語 116
第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 19
八月十五日が近づいたある日の夜。
姫は縁側に座り、月をみながらはげしく泣いて
います。
人目も気にしないで、はげしく泣いていました。
「姫、どうした」
おじいさんとおばあさんが、かぐや姫に聞きま
した。
かぐや姫が、泣きながらいいました。
「前々から、私が泣いている訳を話そうと思い
ましたが、話すと二人が悩むと思い、今まで話
せませんでした。でも、いつまでもだまってい
るわけにもいきません。おもいきってうちあけ
ます。私は、この世の人ではありません。月の
都の人なのです。
つづく